「熱い心でクールな仕事を」がモットーの
メディカル翻訳者の日々の暮らし
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最近よかった本

(今日のムフフ)

R様の新しいドラマは9月からだそうで。

それまで仕方ないから「不時着」楽しんでいたわよ。ええわぁ。また韓流にハマりそうやわ(笑)

 

 

 

最近、ここ数年で一番なくらい心が穏やかで。

理由は自分でもわかっていて、それはまあ、大げさに言えば道が開けたということ。

自粛期間に本をいろいろ読んだのがよかったです。

ブログにまとめようと思いつつ、仕事以外で机に座ることを極力避けていると、どうしても後回しになってしまって。

遅くなったけど、読んだ本とともに心の変遷を少しずつ書き留めてみようかと思います。

 

 

読書感想文をすぐに書かないのは、次から次に書いても、次から次に読むから、本当に自分が変わるところまで影響を受けた本になるかどうかはしばらくたたないとわからない、ということがあるから。

なので、今でも「ああ、あの本だったな」と思えるものだけをピックアップします。

 

まずは、『ピックスリー: 完璧なアンバランスのすすめ』

 

 

仕事しなきゃ、家事もしなきゃ、家族や友だちとの時間も大切に、自分磨きも…、なんてやりたいこと、やらなきゃと思っていることがてんこ盛りの気持ちを沈めてくれた本。著者はFACEBOOK創業者のお姉さん(だったかな?)。

毎日3つだけテーマを選んでそれ以外は別の日にやりましょう、罪悪感を抱かないようにしましょう、ということが書かれています。

 

この考え方には当時、大いに救われました。全部をいっぺんには無理、だから毎日どれかだけ。それさえやればOK!

今でも「ああ、今日は何もできなかったなあ」と思ってしまいそうな就寝時に「いや、でもあれとあれはした、だから十分」と思えます。

 

 

この本自体はよかったのですが、これを読んだあとでも、まだ心穏やかではなかったですね。

さて、次の本は、

 

 

『お金の減らし方』

 

 

 

いやあ、これは衝撃を受けました。

 

 

お金って増やしたくないですか?

でも、お金を減らす、つまりお金を使う意味って考えたことなかった。

とりあえずお金はあればあるほどいいしって。

完全に間違っていたなと今では思えます。

その、お金の減らし方、なんですが、完全な自己満足に使うのが一番いいようで。

つまり、SNSにアップしなくても、人に自慢しなくても、満足できる使い方がベストということです。

これは考えさせられましたね。

自分が一番満足できるお金の使い方って何なんだろう。

これはお金だけではなく時間にも当てはまりますね。

とりあえず、これを読んでからインスタグラムへのアップ頻度は減りましたね〜。

あと、インスタにあげるから、これしよう、これ買おう、これ食べよう、という考え方をやめました。

結果として相変わらずインスタにはたまにアップしているけど、そちらが目的ではない、という感じですね。

そういえば、『すべてがFになる』ってドラマで観たなぁ。この人が作者だったなんて。

私、何がしたいんだろう、何が欲しいんだろう、ってもう一度考えさせられました。

 

 

次に読んだのは『15分あれば喫茶店に入りなさい。』

 

 

2010年出版で少々古く、ツッコミどころもありますが(女性が読むと少々カチンとくる箇所あり)、自宅でもなく職場でもないサードプレイスを持とう、という考え方がよかった。

これを読んで、スタバに行きたくなりましたね〜!

 

 

齋藤先生の著作をもう少し読んでみようと、次に買った本がこれ。

 

『人生は「2周目」からがおもしろい 』

[齋藤 孝]の人生は「2周目」からがおもしろい


50歳からの生き方指南ですね。なるほど、と思うところが多かったです。1周目と同じことを追い求めるのではなく、違うことを違うやり方で。そうか、今は2周目の始まりだなと思うとなんだかワクワクしてきました。この本はよかったですね〜!

この本のいいところは、参考書籍を紹介してくれるところで、その中から買ったものがこちら。

 

 

『「ゆっくり動く」と人生がすべてうまくいく 』

いやあ、これはよかったです。私のようなせっかちタイプには特にね。著者も以前はせかせかタイプだったそうで、親近感も持てますし。

早速何をするにも呼吸をして、ていねいにやるようにし始めたら、大げさかもしれないけど、人生が変わるほどの変化!

ああ、私ってなんて交感神経優位で生活してきたのだろうと反省しきり。

つい焦ってしまう夕食準備も、あえてゆっくりと始める。別にわざと作業を遅くするのではなく、気持ちをゆったりと保つ。それだけでいろんなことにストレスフリーになるのです。

 

 

最後に紹介する本は、書店で見かけて、この手の本はもう買わないと決めていたのに、なぜかどうしても気になり買ってしまったもの。

 

『自分の機嫌は「家事」でとる』

 

いや、ありえないから、家事で自分の機嫌を取るなんてさ、とアンチな立場にいるはずだったのに、なぜだろう、これにも衝撃を受けて、また大げさだけど、人生が変わった。

家事って必要だけどできればやりたくないもの、って思っていませんか?

私はそうでした。誰かやってよと。なんで私がやらなきゃいけないのと。私には家事以外にやりたいことがいっぱいあるのよと。

ところが、この本を読むと、そんな気持ちがどこかに飛んでいってしまいます。

ここで紹介されている方たちのVlog(?Youtubeのブログ)がもうたまらない。それを観ているだけで不思議と癒やされ、ああ、家事しようかなと思わされる。

そう、ゆっくりとていねいに、副交感神経優位な状態でね。

それだと疲れないのですよね〜。瞑想しているような。癒やしが得られたりして。

 

 

 

道が開けた、というのは、これらの本を読んで、日常生活に楽しみが見つかり、やりたいことがどんどんできて、欲しいものも増えて、でも、それは決して派手なことや、人に自慢したいようなことではなくて、しみじみ自分が満足できること。

 

子育ての慌ただしい時期から次のステップへ。これからが本当に自分を愛でる時間。ああ、楽しみ。そう思えるようになりました。

 

上質思考

毎年夏は、自分を緩めることにしています。

できるだけ、仕事のスケジュールに余裕をもたせ、根を詰めて作業せず、休憩をたっぷりとり、難しいことは考えすぎないようにするのです。

 

夏は休むもんです!

でもまあ仕事しているだけエライよ、と自分を褒め、「ゆるだる」な感じを許すのです。

結局成果は他の季節と変わらなかったりもするので、普段からこれくらいリラックスして仕事してもいいのかな、とも思います。

 

お盆をはさんだ案件に着手する前にすこし一息。ブログ書きで休憩です。

 

 

先日、オーディオブックというものを試してみました。

「同業者あるある」なのですが、もともと本好きが高じて翻訳を仕事にしているのにもかかわらず、仕事のしすぎでアフターファイブ(死語?)にこれ以上活字を読むのがつらくなる。無理して読むと、つい熱中し、眼が疲れるのですよね。

でも、本は読みたい!もうこうなったら聴いてやろう、という発想です。

 

キンドル本は設定すれば音読してくれますが、自動的な音声ですので、一度きちんと音読されたオーディオブックを試してみようと、ベストセラーのこの本のオーディオブックを買いました。

 

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする 単行本(ソフトカバー) – 2014/11/19

 

まず、オーディオブックの感想ですが、読む(聴く)のに時間がかかります。この本だと6時間はかかります。読んだら1時間(もっと短いかな?)くらいで終わるのにね。

また、本のなかの図などは聴けません(当たり前?)。図は別途ダウンロードする必要があります。この著作の場合それほど図は多くないし、電子本の立ち読み範囲で見ていたので「ああ、あの図か」とすぐにわかったからよかったのですが。

聴いていると、なぜか「非常に眠くなります」。まあ、この感想は私だけかもしれませんが。人の声が心地よすぎてリラックスしてしまうのですよね。決して内容が眠くなるようなものだということではないです。

巻き戻しや早送り、途中停止や別の章を聴くことなんかはできるにはできるのですが、本(オーディオブックではない本)のページをめくるよりは面倒ですね。本だとある箇所で止まってじっくり考えたり、逆に読み飛ばせるところはどんどん進んでいくことができますが、そういうことは難しい。

このようなオーディオブックの欠点(個人的にですが)は、裏を返せば長所にもなります。本の場合、情報だけ取ろうとしてついいつもの癖で速読してしまうと、本の内容にじっくり触れることができなかったりします。眼も疲れるし、たぶん脳も疲れます。オーディオブックを聴くと仕事とは違う部分を使っている感じがして、いろんなところが休まります。また、音読を聴くということは翻訳にとっても非常によいトレーニングになります。句点の打ち方、節のまとめ方など、要はリズム感が身につくのですね。良書に触れると自分の文章力が向上するような気がします。もちろん翻訳本の場合は訳者の技量が物を言うので、すべてがお手本になるわけではないかもしれませんが。

 

さて、オーディオブックとしての感想はこれくらいにして、本の内容についての感想です。

ベストセラーだけあって、非常に示唆に富む内容ですね。

まあ一言で言えば

「より少なく、しかしより良く」

を目指すということですね。

このような考え方は断捨離でも馴染みがありますが、また別の切り口で語ってもらうと自分の中に染み込んでいく感じがしました。

 

しかし、betterはbestではない、bestだけを追求すべき(確かこんなことを言っていたような)、という考え方にはハッとさせられましたね。90点以下は採用しないって?ふむふむ。そうか、90点以下を採用していると、その分、次に90点以上を採用する余地がなくなるのね。クローゼットの例え話が出てくるのですが、大好きではない服でクローゼットが埋まっていると、大好きな服が入るスペースがなくなるのですね。それは時間に置き換えても同じで、「まあいいか」とどうでもいいことをしてしまうと、その分本当に大切なこと、好きなことをする時間がなくなるのですね。

つまりすべては有限だということ。有限のなかに何かを入れてしまえばその分余地がなくなるということは自明の理。でも、私たちはついついすべては無限だと思ってどうでもいいものやどうでもいいことを入れてしまうのですよね。

自分の時間を本当に大切にしたいと思わせてくれました。

どうでもいい仕事を「しないよりはましだろう」と引き受けてしまうと、その分本当にしたい仕事ができなくなるということ。

どうでもいい物事や人に「深く考えずに」関わってしまうと、その分、自分の好きなことをする時間がなくなってしまうということ。

もったいないから詰め込んでおこう、という考え方が実は一番もったいなかったのですね。

 

「上質思考」とでも呼べるかもしれないこの考え方は、とりあえず平均的なものはなんでも手に入る現代人が今一度取り入れるべきものなのかもしれませんね。なんでもいいのなら、もうあるのです。少なくともこの日本にいるかぎりは。「より多くより良く」は実は無理なこと。時間もスペースも有限なのですから。削っていくこと、削ぎ落としていくことはある意味人間の本能に逆らうことだから、放っておけば私たちはすぐに取り込もうとしますが、それを取り込むことによる「害」についてもっと考えていきたいですね。

 

「上質思考」、取り入れていきたいです。

 

 

オーディオブックで聴きたい方は、下記リンクからどうぞ。

 

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする

 

 

眠れない夜にもおすすめです(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋になって

秋になって少しのんびりとしています。

夏に思い切り仕事をし、一段落していろいろと考えることがありました。

思い切り仕事をするのって楽しかった。楽しかったけど、やっぱり無理がありました。

なんといっても家事との両立、それが自分にはできなかった。片付けや掃除がどうしても後回しになってしだいにイライラしてきたのです。

 

家事のアウトソーシング、家族の協力、もちろんそのようなことは考えました。

でも、現時点で私のこの状況下では無理なことが多い。

ああ、どうしたらいいんだと悩みました。こういうとき、私は本をたくさん読んで解決策を見出すことが多いです。

 

この時期に読んだ本。

まずは初級編。わたなべぽんさんの漫画2冊。

 

ダメな自分を認めたら 部屋がキレイになりました

ダメな自分を認めたら部屋がキレイになりました (メディアファクトリーのコミックエッセイ)

 

 

やめてみた。 本当に必要なものが見えてくる暮らし方・考え方

やめてみた。 本当に必要なものが見えてくる暮らし方・考え方(幻冬舎単行本)

 

「ダメな〜」は、以前立ち読みした後にお友だちに話したところ、その後お友だちはこれを買って、自分のバイブルにしようと思っていると言っていたのです。私も手元に置いておきたくて買いました。

「やめてみた。」はぽんさんの新刊。こちらもおもしろそうだなと思い購入。

 

どちらの本もぽんさんの内省がすごいのです。ありのままの自分を見つめ、そこから一歩行動するまでの過程が丁寧に書かれて(描かれて?)います。読むと、私もやれるかもと思わせてくれるので、自信のないときにおすすめです。

 

 

少し前向きな気持ちになったところで、次は中級編。

 

2週間で人生を取り戻す! 勝間式汚部屋脱出プログラム

 

勝間さんのご自宅での断捨離体験が書かれたこの本。片付けのことだけではなく、おそらく「家事」にそれまで重きをおいてこなかった著者が「家事の重要性」に気づいて試行錯誤する様子が書かれています。勝間さん、最近料理もがんばっているのですよねえ。もともと得意ではないことを自覚しているからあくまでもシステマティック。間違いなく仕事で忙しそうな人から「家事の重要性」を説かれると説得力がありますね。何人たりとも家事からは逃れられないし、逃れないほうが幸せなのだとストンと腑に落ちたし、逃れられないのなら向き合っていこうと覚悟が決まった本でした。「ものぐさ」と「いいわけ」をやめる、ってグサッときませんか?

 

 

最後に上級編。素敵なライフスタイルを紹介してくれる本。

 

シンプル生活 55のヒント 家事がラクになる、心が軽くなる

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著者のみしぇるさん(ブログはこちら→)のご実家は禅寺らしいです。ミニマリストにはとうていなれないけど、その精神には惹かれるなあ。まあ、この本はご褒美本です。理想は高く、ね。

 

 

これらの本(ちなみにすべて電子書籍を購入)を読み、少しだけ前向きに家事をやるようになって、イライラは減りました。

さて仕事とはどう両立しようか。そのあたりの考察は、長くなったのでまた次に。

 

 

 

 

☆近所のショッピングモールに新しくできた紅茶のお店、エシュロンティーハウスでお友だちとランチ。

 

ムレスナティーをどんどん注ぎにきてくれます。

 

セットのサラダ。

 

私はカレーを注文。スパイスが効いていておいしかったです。

 

秋は紅茶もおいしい季節ですね。

Kindle情報
本日限定のお得なお知らせ。

Amazonの日替わりキャンペーンで、次の2冊のKindle版が「99円」です!

「ライフワーク」で豊かに生きる [Kindle版] 本田健



本日限定。めっちゃおすすめです!




幸せな経済自由人の金銭哲学 -マネー編- [Kindle版] 本田 健



こちらは6月中は「99円」みたいですね!


「ライフワークで〜」は本を持っているので、「幸せな〜」を買いました。本田健さんの著作は初期の頃のものを数冊持っていて、非常に影響を受けました。毎日好きなことをして過ごしたい、という思いをかきたてられました。いつか自分もそうなりたいと思って夢見るように本を読んでいました。本田健さんが提唱する「幸せな小金持ち」の「小金持ち」の方はどうだかわからないけど、幸せにはなりつつあります。「小金持ち」ももしかしたら達成されているかもしれませんね。あくまでも自分比ですが。。。

「幸せな経済自由人(つまり「幸せな小金持ち」のことですよね)」かあ、やっぱりそれが目標ですよねえ。先ほど購入したKindle版を読むのが楽しみです!それを楽しみに仕事、頑張りましょう!

 
醜い自意識のかたまり
新聞の書評で見かけて、図書館で予約した本、読了しました。


永い言い訳 西川 美和




長年連れ添った妻を事故で失った主人公は、悲しみを「演じることしかできない」人物。
自分は「醜い自意識のかたまり」と自覚している、そんな彼の物語。
周りの人間を傷つけずにはいられない、でも自分も傷つかずにはいられない、そんなやっかいな主人公。
その彼の再生の物語といっていいのかな。
「醜い自意識のかたまり」の人物目線での世の中の見渡し方、周囲の人への感情が描かれています。
主人公の気持ちがわかる部分もある、でもどちらかと言えば、彼の周囲の人に同情を持ってしまいました。




こちらもやっと読了。

ソロモンの偽証(全6巻) 宮部 みゆき





ここからの感想はこの小説をこれから読む予定の人は見ないでくださいね。感動が半減しますから。そして本を読んだ後にここに戻ってきてほしいなあ。

さて、これはなんと言ったらいいのか。ミステリーであり、学校ものであり、いろいろジャンルわけはできるのだろうけど。
私、最後のほうは、泣いてしまいました。もしかしたら本を読んで泣くのは初めてかもしれません。自然と泣けてきたのです。
悲しすぎて。哀れすぎて。もう一人の主人公、いや、本当の主人公に感情移入してしまったのです。
先ほどの『永い言い訳』での主人公が自ら自分をそう称した「醜い自意識のかたまり」、これはなんてやっかいで、なんて周りの人を苦しめるのでしょうか。
もちろん本人も「シンドイ」のでしょう。その気持はわかります。でも、自分がいろんなことに負けたからって、弱いからって、同じようなこと、いやもっと辛いことに立ち向かっている人、あきらめつつも希望を持って生きようとしている人を陥れようとしてもよいのでしょうか。

自分にももちろん「醜い自意識のかたまり」というものは存在すると思っています。いや、どんな人にもそういう部分はあります。ダークな部分ですね。でもそれを正当化する、そして人にも強要する、その悪魔のパワーの恐ろしさ。それに従わない人に罪悪感を植え付ける罪。やっている人は決して気づかないのですね。私は裏主人公(?)に心から同情しました。いい人に自分を重ねあわせるなんて虫がいいのかもしれないけど。「対岸を見てきた」その人の気持ちが痛いほどわかったからです。

弱い人はすぐに人のせいにします。本当は心で泣いている、強く見える人の気持ちは無視して、自分だけがこの世でもっとも不幸な人だと思い込んでいます。そしてそんな強い人がいたら困るから、弱い方、悪の方へとその人を引きずり込もうとします。そのパワーの強さったら。はっきり言いますが、私もある意味「対岸」を見ました。人間の愚かさ、人間の恐ろしさ、そういうものに何度か直面する機会があったのです。絶望しました。悲しみました。言葉では言えません。でも、そういうところからでも一筋差し込んだ光だけを頼りに花を咲かせようと茎を伸ばし、葉を広げてきたつもりです。人間、ダークです。でもみんな「善」も求めているのです。その部分に救いを得てなんとかやっています。そんな自分への理解とエールに感じられたのですね、この小説の結末が。だから救われました。この小説に。こんなの初めてです。

ここまで感じる人は少ないかもしれないけど、この小説には極上のエンターテイメント性もあるので、映画化はうなずけますね。
ちょっと原作とは違うだろうけど、映画も見たくなりました。

とても考えさせられる小説でした。辛いようなうれしいような。そして、改めて、馬鹿にされようが、誤解されようが、自分は悪に引きずり込まれず、光の中を生きていきたいと強く思いました。





 
ダークな本
時間があるといつまでも読書してしまいます。
うちに置いてあったので、先日読んだのが、こちら。

Nのために (双葉文庫) 文庫 湊 かなえ

Nのために (双葉文庫)

ドラマもやっていましたね、見そびれましたけど。

「イヤミス」っていう言葉、ご存知ですか?
なんでも、人間のダークな部分に着目し、厭な読後感を残すタイプのミステリのことをそう呼ぶとのこと。
沼田まほかるさんもそのカテゴリらしいです。
この本も、非常にダークでしたね。いつもの湊作品のとおり。
もちろん、他の作品との違いはいろいろとあるようですが、まあひっくるめて暗い、という感じでしたね。
そしてこれまたいつものとおり、ストーリーをどんどん追いたくなるので、あっという間に読めました。



母の日は自分へのご褒美として本屋に向かいました。
そこで買ったのがこちら。映画化されましたね。


ソロモンの偽証: 第I部 事件 上巻 (新潮文庫) 文庫 宮部 みゆき

ソロモンの偽証 第I部 事件

まだ2巻目ですが、引きこまれます。
これまた暗いです。ダークです。
登場人物の性格はバラエティに富んでいるのですが、それぞれにダークな面を持っています。
聡明な子は聡明な子なりに、グズな子はグズな子なりに、不幸な女性は不幸な女性なりに、他者に対して非常にネガティブな感情を持っている。恐ろしいです。本当はみんなこうなのかなと考えさせられます。おそらく「こんなイヤなこと考えているのは自分だけだし、心の中にしまっておきましょ」なんてみんな思って生きているのではないでしょうか。でも、実は自分だけではなく、世の中の人みんながそれぞれにいろんなことを考えているのですね。それだけは誤解しないようにしないと、とんでもないことに巻き込まれる可能性がありますね。

ただ、ものごとの暗い面と明るい面のどちらを自分は見るのか、という選択は常に自分でしていいのだから、必要以上に暗くなることはないですね。明るいばかりではないけど、暗いばかりでもないのが世の中ですから。
だからと言って、何にも悩み事はありません、と
たとえ口では言っていても態度を見ればそれが嘘だとわかります。嘘というか、暗い面を見ないようにしているだけということがわかるということですね。逆に暗い顔しているようで、案外幸せを感じていたりね。どちらもある。わかっている。わかったうえで、どのように選択するか。それだけですね。

人間ですから、ダークな感情はあります。そういうもんですから、気にしない。
自分の存在そのものが誰かにとっての不快のタネになることだってあるのですから、いちいち気にしていられません。
不完全な自分を認め、不完全な他の人を認める。そうでないと、この世は生きていくのにとてもつらいものになるでしょう。









 
自分の頭で考える
「今日の言葉」、続きます(笑)。

出典はこちら↓


『いつやるか? 今でしょ! 林 修





『専門的な知識を習得することではなく、自分の頭で考えたり判断する一般的な能力を発達させることが、いつでも第一に優先されるべきです。』

アインシュタインが言ったというこの言葉。考えさせられますね。「専門的な知識」という部分をいろいろと置き換えることができますね。

「下手な考え休むに似たり」という言葉もあり、仕事に関しては、私は特に駆け出しの頃はなんでも試し、とりあえずやってみました。とりあえずやる、ということにも良い点はあると思いますが、もうそろそろそういう時代は卒業したかなあとも思うのです。

いいといわれることはなんでも取り入れる、成功している人のやり方はそっくりマネてみる、
そういうこともそろそろ終わりかなと。
なぜなら、一番大切な「自分で考える」という作業を放棄しているのですね。楽しようとして。
でも、誰かにとってよいことが自分にとってもよいとは限らないのです。結局自分にあったやり方を模索せねばならず、そのことを考えられるのは自分しかいないのです。

例えば翻訳業務における「調査」の方法。専門分野のバックグラウンドはあるけど英語力には自信がない人のアプローチと、英語力には問題がないけど専門分野のことは正直わからない人のアプローチは、全然違うものになって当然です。仮にその2つの分類で自分と同じカテゴリになっている人がいたとしても、様々な他の要因が絡んでくるので、全く同じアプローチが奏効するとは限りません。あくまでも参考程度です。

青い鳥探しと同じで、「こうなりたい」ものへのアプローチを自分以外のものに探しても見つからないのですね。自分自身を冷静に評価すること、そしてゴールを見据えて戦略をたてること、その作業がどうしても必要になってくるのです。




本に戻りましょう。同じような内容で、
『おすすめの本は聞くな』
という項があります。

学生時代に、秀才の誉れ高い先輩に、友だちがおすすめの本を聞いたところ、

「自分で読みたい本も見つけられないような感性の鈍い人間が、何を読んだところで無駄だとは思わないかい?」
と返されたそうです。

林先生は「きついことをいう人だけど、正しい」と思ったそう。
「おすすめの本は何ですか?」と聞く精神が、どれほど怠惰なものかと、今では先生も生徒さんに諭しているようです。
要は自分で考えることを放棄している、そんな人間は何をやっても無駄だということですね。非常に厳しい意見ですけど。


ところで、こういう厳しい意見を自分に対して面と向かって言われることに耐えられますか?
耐えられない人は「褒め合う仲」「決して否定し合わない仲」「とにかく励まし合う仲」で平和に過ごしていくことでしょう。
男女で比べたくはないけど、女性に多い関係ですね。居心地は最高。傷つくことも、悩むこともない(悩んでいるフリはするけど)。
でも、成長もないのです。
あえて厳しいこと(正しいこと)を言ってくれる人の大切さを知っていること。そしてその厳しさに耐えられるだけ自分がタフであること。
それがないと、本当に自分にとってためになる意見というものは永遠に耳に入ってきません。
全部が全部そういう仲間ではなくてもいいと思います。だって仲間や友だちって何かの目的のためにあるのではないのですから。
でも、苦言を呈してくれる人を大切にする、いなければ探す、くらいのつもりでいれば、居心地の良さだけでズルズル過ごした時間を後になって悔やむことはなくなるでしょう。


林先生の厳しいけど正しい言葉、これからもちょこちょこアップしますね。





 
勝ち易きに勝つ
非常に頭を使った論文翻訳から一転、今週は柔らか目のものを訳しています。
かける時間が同じでも、進行具合もストレスも全然違います。もちろん、それぞれ内容によるので、一概に何が楽とは言えないのですが。


週末に購入した本から心に残った一言を。


「勝ち易きに勝つ」道を選べ!


出典はこの本。
『いつやるか? 今でしょ! 林 修




今頃?的な感じがあるかもしれませんが、実は最近たまたまTVで見た対談番組でビビッときてしまったのです(ちなみに、それまでこの先生については、テレビによく出ている予備校講師という以外はほとんど知りませんでした)。

各界の著名人3人によるその対談は大いに盛り上がり、終わりを迎える頃、その中の1人が「このあとご飯でも行きますか?」と他の2人を誘いました。和やかでいい雰囲気だったのです。ところが、
「いや、僕はこのあと読みたい本があるので」
と速攻で断った林先生。
なんて自分軸のある人だろう、そしてそれをそのまま表明できるってなんてスゴイのだろう、と私は思ってしまったのです。
興味がわいたので、速攻で本を2冊買いました。

もう1冊はこれ。

『今やる人になる40の習慣』 林 修



こちらはまだ読了していません。

とりあえず、最初の本を読んだ感想。
もう共感続出で、できることならお友だちになりたい感じ(無理ですが)。

いろいろと心に残る言葉がありますが、今日はこれ(続くんかい?)。

「勝ち易きに勝つ」道を選べ!

深いですね。

先生は実は予備校講師として最初は大好きな数学を教えようとしていらっしゃったらしいです。
文系の学部出身とは言え、数学の能力は他の大学のほとんどの理系学生を上回るものであったことは明らかです。
でも先生は最終的には数学をやめて現代文の講師になるのです。
なんでも、自分が秀でるための競争率が低かったことが理由とか。数学では他の理系出身講師に最終的にはかなわないと思ったらしいです。
なんという決断。これは「こだわり」を捨て「現実」を見て勝ちに行く、という先生の戦略。
本の中でも何度も「こだわりは捨てましょう」と書かれていました。

「楽」は悪いことではないのですね。「楽」でないのなら、「好き」だとしても「得意」ではないのです。先生は「得意」を仕事にするべきだという考えです。これは人生観にもつながるので、一概に正しいとか正しくないとか言えることではないですが、私は好きな考え方ですね。

もしかしたら、今後もポツポツ感想をアップするかもしれませんので、ご覚悟を(笑)。

 
結局ワークライフバランス!?
先日BOOK OFFで購入した本。
やせる! (光文社新書) /勝間和代


やせる! (光文社新書)

軽い気持ちで読んでみましたが、意外と良い内容。
痩せて健康になるためのヒントが詰まっています。
その中の2大テーマが「栄養」と「運動」。

「栄養」について提唱されているのが、いわゆる「まごわやさしい」料理。
「まごわやさしい」は食品研究家で医学博士の吉村裕之先生が提唱されているバランスの良い食事の覚え方だそうです。

各頭文字に該当する食材を食事に取り入れるだけ。

ま(まめ)=豆類
ご(ごま)=種実類
わ(わかめ)=海藻類
や(やさい)=緑黄色野菜、淡色野菜、根菜
さ(さかな)=魚介類
し(しいたけ)=きのこ類
い(いも)=いも類

本書では、「まごわやさしい」料理を簡単に作る方法が紹介されています。
これらの食材に含まれる微量栄養素が非常に大切だということも論理的に説明されていて、その重要性を再確認させられました。
そして、ここが本書のキモだと私は思うのですが、「まごわやさしい」料理を作るために(食材の調達も含めて)1日1時間取りましょうとのこと。

「運動」についてはここでは詳細を述べませんが、これまた1日30分運動しましょう、というのが結論。

そして、料理と運動の時間をとるためにワークライフバランスを図りましょう、というしごくもっともなご意見が今の私にとって一番のアドバイスになったかと思います。

「栄養」と「運動」をおろそかにしていたら、結局仕事にも響くのですよね。もちろん仕事だけではなく、大げさに言えばQOL(生活の質)にも。
「わかっちゃいるけど〜」状態だった私に良い刺激を与えてくれる本でした。
 

ニャンとかなる!
猫先生のおすすめ本、「人生はニャンとかなる!」を私も買ってみました。

「人生はニャンとかなる!―明日に幸福をまねく68の方法」
水野敬也・長沼直樹著/文響社


私が気に入ったのはこの二つ。



















なんだかふてぶてしい猫ばかりを選んでしまいましたが、本の中にはキュートな猫がいっぱいです。
思わず「かわいい〜」と声をあげてしまうような。
まずは写真で癒されます。もちろん、写真とセットになった偉人の名言もいいですよ。
例えば上の写真の「一度サボるとクセになる」の裏ページにはこの言葉の由来(孟子のエピソード)があり、関連する名言として「怠慢は魅力的に見えるけど、満足感を与えてくれるのは働くことよ」(アンネ・フランク)というのも載っていて、ふむふむ、となります。

写真は載せませんが、「肩の力を抜こう」というアインシュタインの名言もよかったなあ。その裏面の「精神には休養を与えねばならぬ」(セネカ)というのも心に沁みましたね。先ほどの「一度サボるとクセになる」との兼ね合いが難しいですが(笑)。
ぱらぱらとページをめくって、今の自分にグッとくるものを読むといいかも。写真を見ているだけでも癒され度は大ですが。

書店には元祖の犬版、「人生はワンチャンス!」も置いてありました。それも魅力的だから買おうかなあ。

人生はワンチャンス! ―「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法
水野敬也・長沼直樹著/文響社


最後に名言をおひとつ。
「人生のお楽しみはこれからだ」(レイ・クロック)。

今日も良い日になりますように。