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「熱い心でクールな仕事を」がモットーの
メディカル翻訳者の日々の暮らし |
さて、子育てが一段落したら戻ろうと思っていた世界、あまりにも大変そうに見えて、今までの平和な世界、気楽な世界から出ていく勇気が持てずに、しばらくふらふらしていました。
ふらふら、といっても自分だけが思っていることです。いえ、自分でもその時はふらふらしているとは思っていませんでした。
具体的には、空いた時間を趣味にたっぷりあてて、そこから次々にああしよう、こうしよう、と思い描いて、実際に実行していきました。自己実現していたつもりだったんです。
例えばピアノは人前で弾くこともしたり、手芸ではワンデーショップも開き、洋服は手作りして、お菓子作りも楽しんで、といった具合です。
一歩前に進むと、また次の目標ができて、頭の中はそういうことでいっぱいでした。
ただ、そんな私を見ていつも夫くんが言っていたのです。「仕事はどうなったの」と。
恥ずかしながら、私は夫くんが自分のことを正当に評価してくれない、と不満を言っていました。「ねえ、ふつう奥さんがこうやって趣味で楽しくしていることをダンナさんは喜んでいるよ。こうやって深めていっているんだからもうちょっとほめてくれてもいいじゃない」と。
夫くんは私がいくら反撃しても自分の軸は曲げず、「俺はそういうことには興味がない」の一点張りでした。
「普通の人だったら、そうやって楽しくやっているだけで、よかったな、と思えるけど、○○子(私の名前)は違うだろう。そんなことで満足なのか」と言われたり(誤解のないよう付け加えますが、夫くんは私に素晴らしい能力があるとか思っているわけではありません。単に自己主張の強い変わった女だと思っています。100人に1人しかいないような変わり方だそうです)、ちょっとでも私が日々の生活での不満を漏らすと「だから○○子は仕事をした方がいいんだよ」と言われていました。
わかっている、わかっているけど仕事の世界に戻るのは大変なんだよ、とはっきり自分でも認めるまでに長くかかりました。ごまかしていたわけです。大変だってことを認めたくなかったわけです。時間はかかったけど、いろんな本を読んだことで、自分を見つめなおし、とにかく現状を認めることから始め、少しずつ前に進んでいる状態が今です。感銘を受けた本についてはまた紹介させていただきますが、それらの本のおかげで、自分の中でかなりの変化が起こりました。仕事については、「翻訳の世界に戻りたいけど大変」という現状をまずじっくり見つめ、ではどうしたら戻れるのかを考え、その過程を楽しもうと心がけ、今は少しだけ夢に近づいた状態です。仕事だけではなく、人間関係についても同じことをしていきました。例えば自分にとってつらい現状をごまかさず見つめる。そして行動を起こしてみる。すると確実に変化が起こりました。人間関係は相手あってこそですが、とにかく自分の気持ちに変化が起こったのです。もしかしたら相手は何も変わっていないかもしれませんが、自分はすごくすっきりしました。
こういう変化って素晴らしいことです。でも同時に疲れるものです。読んだ本のなかにもありましたが、「人は成功を求めている、と同時に成功しないことを求めている」ということ。変化は恐ろしいものです。勇気をもって変化を起こした後も、実際私は疲れを感じることがあります。変化する前の自分が自分でないような、そして変化している自分も自分でないような、なんともいえない気持ち。ここを乗り越えないと、変化を起こすことはできないのでしょうね。今、いろんなことに正直に、そして必要な変化は起こしたい、と思っている自分。正しいことなのでしょうが、しんどい部分もある。前のごまかしていた自分も楽だったな。なんて。
さあ、これからどうなっていくのかな。またいつか振り返った時に今の自分はどう映るのでしょうか。迷いだらけ、でも少しは前に進んで行っている過程を書き留めていきたいブログ、これからも続きます。